第4編
レイヤー2

IGMPスヌーピング/MLDスヌーピングの機能説明

IGMPスヌーピング/MLDスヌーピングを有効化すると、IPマルチキャストパケットの中継はフィルタリングされます。装置はホストから送られてくるIGMPレポート/MLDレポートを確認し、IPマルチキャストパケットを転送する宛先ポートを登録します。これにより、IGMPスヌーピングテーブル/MLDスヌーピングテーブルに登録されたIPマルチキャストパケットは、登録されたポートのみに転送されます。

IGMPスヌーピング/MLDスヌーピングの概要

IGMPスヌーピングを有効にするには、VLANおよび装置全体に対してip igmp snoopingコマンドを使用します。MLDスヌーピングを有効にするには、VLANおよび装置全体に対してipv6 mld snoopingコマンドを使用します。

補 足

IGMPスヌーピング/MLDスヌーピング使用時に、テーブル上限を超えて登録できなかったマルチキャストパケットがフラッディングされることを防ぐには、マルチキャストフィルタリングモードをfilter-unregisteredモードに設定してください。

補 足

マルチキャストフィルタリングモードがforward-allモードに設定されている場合は、IGMPスヌーピング/MLDスヌーピングが有効でも、IPマルチキャストパケットは同一VLANのすべてのポートにフラッディングされます。

補 足

NP2100、NP2000、およびNP2500では、IGMPスヌーピング/MLDスヌーピングはMACアドレスベースで処理されます。そのため、マルチキャストMACアドレス宛てのスタティックMACアドレスエントリーが設定されている場合、その宛先に一致するIPマルチキャストパケットは、IGMPスヌーピングテーブル/MLDスヌーピングテーブルに登録がなくても中継されます。

学習したマルチキャストルーターポートのエージングタイムの変更

IGMPスヌーピングを有効にしている場合、IGMPクエリーなどを受信すると、装置はマルチキャストルーターに接続されているインターフェースをダイナミックに学習します。

IGMPスヌーピングで学習したマルチキャストルーターポートに対するエージングタイムは、ip igmp snooping dyn-mr-aging-timeコマンドで変更できます。

クエリアの有効化とクエリーの送信

IGMPスヌーピングクエリアまたはMLDスヌーピングクエリアを有効化すると、レシーバー/リスナーの存在を確認する一般クエリーを送信できます。また、レシーバー/リスナーから脱退メッセージを受信した場合、Group-Specificクエリーを送信できます。

IGMPスヌーピングクエリアとMLDスヌーピングクエリアは、デフォルト設定では無効です。IGMPスヌーピングクエリアを有効にするには、ip igmp snooping querierコマンドを使用します。MLDスヌーピングクエリアを有効にするには、ipv6 mld snooping querierコマンドを使用します。

注 意

セカンダリーIPアドレスではIGMPクエリア機能は動作しません。

補 足

クエリアを有効化するには、VLANインターフェースが必要です。また、VLANインターフェースにIPアドレスが設定されている必要があります。

一般クエリーメッセージの送信間隔の変更

IGMPスヌーピングクエリア/MLDスヌーピングクエリアが定期的に送信する一般クエリーメッセージの送信間隔を変更します。デフォルト設定では、一般クエリーメッセージの送信間隔は125秒です。

IGMPスヌーピングクエリアの一般クエリーメッセージの送信間隔を変更するには、送信間隔を秒単位で指定し、ip igmp snooping query-intervalコマンドを使用します。MLDスヌーピングクエリアの一般クエリーメッセージの送信間隔を変更するには、送信間隔を秒単位で指定し、ipv6 mld snooping query-intervalコマンドを使用します。

Group-Specificクエリーメッセージの送信間隔の変更

IGMPスヌーピングクエリア/MLDスヌーピングクエリアが送信するGroup-Specificクエリーメッセージの送信間隔を変更します。デフォルト設定では、Group-Specificクエリーメッセージの送信間隔は1秒です。

IGMPスヌーピングクエリアが送信するGroup-Specificクエリーメッセージの送信間隔を変更するには、送信間隔を秒単位で指定し、ip igmp snooping last-member-query-intervalコマンドを使用します。MLDスヌーピングクエリアが送信するGroup-Specificクエリーメッセージの送信間隔を変更するには、送信間隔を秒単位で指定し、ipv6 mld snooping last-listener-query-intervalコマンドを使用します。

一般クエリーメッセージの最大応答時間(Max Response Time)の変更

IGMPスヌーピングクエリア/MLDスヌーピングクエリアが送信する一般クエリーメッセージに含まれる最大応答時間を変更します。デフォルト設定では、一般クエリーメッセージに含まれる最大応答時間は10秒です。

IGMPスヌーピングクエリアが送信する一般クエリーメッセージに含まれる最大応答時間を変更するには、応答可能時間を秒単位で指定し、ip igmp snooping query-max-response-timeコマンドを使用します。MLDスヌーピングクエリアが送信する一般クエリーメッセージに含まれる最大応答時間を変更するには、応答可能時間を秒単位で指定し、ipv6 mld snooping query-max-response-timeコマンドを使用します。

高速離脱の設定

IGMPスヌーピングまたはMLDスヌーピングで高速離脱を有効にすると、レシーバーから脱退メッセージを受信した場合、即座にレシーバーをマルチキャストグループから削除します。

補 足

高速離脱は、装置のポートにホストが1台だけ接続されている場合に効果があります。ハブを介して複数のホストを接続している場合は、高速離脱を設定しないでください。

IGMPスヌーピング高速離脱およびMLDスヌーピング高速離脱は、デフォルト設定で無効です。IGMPスヌーピング高速離脱を有効にするには、ip igmp snooping fast-leaveコマンドを使用します。MLDスヌーピング高速離脱を有効にするには、ipv6 mld snooping fast-leaveコマンドを使用します。

補 足

ip igmp snooping fast-leaveコマンドが無効の場合、マルチキャストメンバーからIGMP脱退メッセージを受信後、以下の計算式に基づいて算出された時間内に他のマルチキャストメンバーからIGMP reportメッセージを受信しなかった場合に、所属するマルチキャストグループから離脱します。ただし、代表クエリアが存在しない場合は、IGMP脱退メッセージを受信してもマルチキャストグループから離脱しません。

  • 装置が代表クエリアの場合の計算式= Last member query interval × Robustness value
  • 装置が非代表クエリアの場合の計算式=MaxResponseTime(代表クエリアから送信されるGroupSpecificQuery内の値) × Robustness value

スパニングツリープロトコルに起因するクエリーの送信禁止

IGMPスヌーピングまたはMLDスヌーピングを有効にした装置では、スパニングツリープロトコルのリンクレイヤートポロジーでポートの有効と無効が切り替わると、ネットワークの収束期間の短縮のために、すべてのアクティブな非ルーターポートにクエリーを送信します。このクエリーの送信をVLANごとに禁止できます。

デフォルト設定では、スパニングツリープロトコルに起因するクエリーの送信は禁止されていません。スパニングツリープロトコルに起因するクエリーの送信を禁止するには、IGMPスヌーピングではip igmp snooping ignore-topology-change-notificationコマンド、MLDスヌーピングではipv6 mld snooping ignore-topology-change-notificationコマンドを使用します。

IGMPスヌーピングクエリアの一般クエリーメッセージのバージョンの変更

IGMPスヌーピングクエリアが送信する一般クエリーメッセージのバージョンを変更します。デフォルト設定では、バージョン3が設定されています。IGMPスヌーピングクエリアの一般クエリーメッセージのバージョンを変更する場合、バージョンを指定してip igmp snooping query-versionコマンドを使用します。

MLDスヌーピングクエリアの一般クエリーメッセージのバージョンの変更

MLDスヌーピングクエリアが送信する一般クエリーメッセージのバージョンを変更します。デフォルト設定では、バージョン2が設定されています。MLDスヌーピングクエリアの一般クエリーメッセージのバージョンを変更する場合、バージョンを指定してipv6 mld snooping query-versionコマンドを使用します。

スタティックなグループの作成

IGMPプロトコルまたはMLDプロトコルにホストが対応していない場合のために、スタティックなグループを設定できます。

スタティックなグループは、デフォルトでは設定されていません。スタティックなIGMPスヌーピンググループを作成するには、ip igmp snooping static-groupコマンドを使用します。スタティックなMLDスヌーピンググループを作成するには、ipv6 mld snooping static-groupコマンドを使用します。

マルチキャストルーターポートの設定

指定したインターフェースをマルチキャストルーターポートとして設定します。また、指定したインターフェースがマルチキャストルーターポートになることを禁止する設定もできます。

デフォルト設定では、IGMPスヌーピングのマルチキャストルーターポートは設定されていません。IGMPスヌーピングでマルチキャストルーターポートを設定するには、ip igmp snooping mrouterコマンドを使用します。

また、MLDスヌーピングのマルチキャストルーターポートは、デフォルトでは設定されていません。自動学習は有効です。MLDスヌーピングでマルチキャストルーターポートを設定するには、ipv6 mld snooping mrouterコマンドを使用します。

双方のコマンドで、マルチキャストルーターポートになることを禁止する場合はforbiddenを指定してください。

ロバストネス変数の変更

ロバストネス変数は、インターフェース上でのパケット損失予測に対する微調整を行います。

ロバストネス変数のデフォルト設定は、IGMPスヌーピング/MLDスヌーピングともに「2」です。IGMPスヌーピングのロバストネス変数を変更するには、変数を指定してip igmp snooping robustness-variableコマンドを使用します。MLDスヌーピングのロバストネス変数を変更するには、変数を指定してipv6 mld snooping robustness-variableコマンドを使用します。

IGMPスヌーピングのプロキシレポーティング機能の有効化

IGMPスヌーピングのプロキシレポーティング機能を有効にすると、ルーター(クエリア)からのIGMPクエリーに対する代理応答や、ホストからのIGMPレポートなどの代理送信を行います。

IGMPスヌーピングのプロキシレポーティング機能は、デフォルト設定では無効です。IGMPスヌーピングのプロキシレポーティング機能を有効にするには、ip igmp snooping proxy-reportingコマンドを使用します。

注 意

プロキシレポーティング機能を有効にしたVLANインターフェースには、IPアドレスを設定してください。

MLDスヌーピングのプロキシレポーティング機能の有効化

MLDスヌーピングのプロキシレポーティング機能を有効にすると、ルーター(クエリア)からのMLDクエリーに対する代理応答や、ホストからのMLDレポートなどの代理送信を行います。

MLDスヌーピングのプロキシレポーティング機能は、デフォルト設定では無効です。MLDスヌーピングのプロキシレポーティング機能を有効にするには、ipv6 mld snooping proxy-reportingコマンドを使用します。

レポート抑制機能の有効化

レポート抑制機能を有効にすると、ホストから送信される重複レポート(同一のグループレポート、同一の脱退メッセージ)を抑制し、1つのレポートだけを中継します。

レポート抑制機能は、デフォルト設定では無効です。

IGMPスヌーピングでレポート抑制機能を有効にするには、ip igmp snooping report-suppressionコマンドを使用します。また、レポートを抑制する期間はip igmp snooping suppression-timeコマンドで変更できます。

MLDスヌーピングでレポート抑制機能を有効にするには、ipv6 mld snooping report-suppressionコマンドを使用します。また、レポートを抑制する期間はipv6 mld snooping suppression-timeコマンドで変更できます。

IGMPホストの最小バージョンの設定

インターフェース上で許容するIGMPホストの最小バージョンを設定します。バージョン2を設定すると、IGMPv1メッセージを除去します。バージョン3を設定すると、IGMPv1とIGMPv2メッセージを除去します。

デフォルト設定では、許容する最小バージョンは設定されていません。許容する最小バージョンを設定するには、バージョンを指定してip igmp snooping minimum-versionコマンドを使用します。

MLDホストの最小バージョンの設定

インターフェース上で許容するMLDホストの最小バージョンを設定します。バージョン2を設定すると、MLDv1メッセージを除去します。

デフォルト設定では、許容する最小バージョンは設定されていません。許容する最小バージョンを設定するには、バージョンを指定してipv6 mld snooping minimum-versionコマンドを使用します。

統計情報のクリア

IGMPスヌーピング/MLDスヌーピングの統計情報をクリアします。

IGMPスヌーピング統計情報をクリアするには、clear ip igmp snooping statisticsコマンドを使用します。MLDスヌーピングの統計情報をクリアするには、clear ipv6 mld snooping statisticsコマンドを使用します。

メンバーシップ情報のクリア

IGMPスヌーピングでダイナミックに登録したグループのメンバーシップ情報をクリアするには、clear ip igmp snooping groupsコマンドを使用します。MLDスヌーピングでダイナミックに登録したグループのメンバーシップ情報をクリアするには、clear ipv6 mld snooping groupsコマンドを使用します。

Unknownマルチキャストのマルチキャストグループアドレスのクリア

IGMPスヌーピングでUnknownマルチキャストから学習したマルチキャストグループアドレスをクリアするには、clear ip igmp snooping unknown-dataコマンドを使用します。MLDスヌーピングでUnknownマルチキャストから学習したマルチキャストグループアドレスをクリアするには、clear ipv6 mld snooping unknown-dataコマンドを使用します。

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