VLAN変換の機能説明
トランクポートで、switchport vlan mapping original-vlan resultant-vlanコマンドでVLAN変換エントリーを設定した場合は、送受信するVLANタグ付きフレームのVLAN IDを双方向に変換できます。VLAN変換の動作パターンと設定コマンドは、以下のとおりです。
VLAN変換 | 概要と設定コマンド |
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サービスVLANタグのVLAN変換 |
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2段タグフレームのVLAN変換 |
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同一インターフェースでは、1つの装置内のサービスVLANに対して設定できるVLAN変換エントリーは、1エントリーのみです。
2段タグフレームのVLAN変換設定コマンドで、装置内のカスタマーVLANを指定しない形式で設定した場合は、装置内のカスタマーVLANを装置外のカスタマーVLANの値で設定した場合と同じ動作になります。たとえば、switchport vlan mapping original-vlan 10 1234 resultant-vlan 50と設定した場合は、switchport vlan mapping original-vlan 10 1234 resultant-vlan 50 1234と設定した場合と同じ動作になります。
priorityパラメーターを指定しないで設定した場合は、priority 0が自動的に設定されます。
priorityオプションは受信時のみ反映されます。また、サービスVLANタグのVLAN変換エントリーでは受信フレームが1段タグフレームの場合のみ、2段タグフレームのVLAN変換エントリーでは受信フレームが2段タグフレームの場合のみ、反映されます。
サービスVLANタグのVLAN変換の例を以下に示します。
以下の例では、トランクポートに設定したポート1/0/5でサービスVLAN 10で送受信するタグ付きフレームのVLAN IDを1001に変換し、サービスVLAN 20で送受信するタグ付きフレームのVLAN IDを1002に変換します。
サービスVLANタグのVLAN変換の例
2段タグフレームのVLAN変換の例を以下に示します。
以下の例では、トランクポートに設定したポート1/0/7で「サービスVLAN 101、カスタマーVLAN 1234」の2段タグフレームを受信した場合は、「サービスVLAN 10、カスタマーVLAN 111」に変換してサービスVLAN 10で受信します。また、サービスVLAN 10のポート1/0/7から送信する前の形式が「サービスVLAN 10、カスタマーVLAN 111」の場合は、「サービスVLAN 101、カスタマーVLAN 1234」に変換して送信します。
同様に、ポート1/0/7で「サービスVLAN 102、カスタマーVLAN 2345」の2段タグフレームを受信した場合は、「サービスVLAN 20、カスタマーVLAN 222」に変換してサービスVLAN 20で受信します。また、サービスVLAN 20のポート1/0/7から送信する前の形式が「サービスVLAN 20、カスタマーVLAN 222」の場合は、「サービスVLAN 102、カスタマーVLAN 2345」に変換して送信します。
2段タグフレームのVLAN変換の例
一致するVLAN変換エントリーが存在しない場合でも、受信トランクポートにサービスVLANと一致するVLANが登録されている場合は、そのVLANで受信することに注意してください。以下の例のように、ポート1/0/5でサービスVLAN 10のタグ付きフレームを受信した場合、「装置外のサービスVLAN=10」に一致するVLAN変換エントリーがないため、VLAN変換は行われませんが、ポート1/0/5にVLAN 10を登録しているため、そのままVLAN 10で受信します。
VLAN変換の注意事項の例(1)
また、2段タグフレームのVLAN変換エントリーの場合は、送信時に一致するエントリーがなくても、VLAN変換しないでそのまま送信されることに注意してください。以下の例のように、サービスVLAN 10のポート1/0/7から送信する前の形式が「サービスVLAN 10、カスタマーVLAN 111以外」の2段タグフレーム、またはサービスVLAN 10の1段タグフレームの場合は、VLAN変換しないでそのまま送信されます。
VLAN変換の注意事項の例(2)