第4編
レイヤー2

VLAN変換の機能説明

トランクポートで、switchport vlan mapping original-vlan resultant-vlanコマンドでVLAN変換エントリーを設定した場合は、送受信するVLANタグ付きフレームのVLAN IDを双方向に変換できます。VLAN変換の動作パターンと設定コマンドは、以下のとおりです。

VLAN変換と設定コマンド
VLAN変換概要と設定コマンド
サービスVLANタグのVLAN変換
  • VLAN動作モード:トランクモード(switchport mode trunkコマンド)
  • VLAN登録コマンド:switchport trunk allowed vlanコマンド
  • switchport vlan mapping original-vlan 装置外のサービスVLAN resultant-vlan 装置内のサービスVLAN [priority COS]コマンドで、サービスVLANタグのVLAN変換エントリーを設定する。
2段タグフレームのVLAN変換
  • VLAN動作モード:トランクモード(switchport mode trunkコマンド)
  • VLAN登録コマンド:switchport trunk allowed vlanコマンド
  • switchport vlan mapping original-vlan 装置外のサービスVLAN 装置外のカスタマーVLAN resultant-vlan 装置内のサービスVLAN 装置内のカスタマーVLAN [priority COS]コマンドで、2段タグフレームの両方のVLANタグのVLAN変換エントリーを設定する。
補 足

同一インターフェースでは、1つの装置内のサービスVLANに対して設定できるVLAN変換エントリーは、1エントリーのみです。

補 足

2段タグフレームのVLAN変換設定コマンドで、装置内のカスタマーVLANを指定しない形式で設定した場合は、装置内のカスタマーVLANを装置外のカスタマーVLANの値で設定した場合と同じ動作になります。たとえば、switchport vlan mapping original-vlan 10 1234 resultant-vlan 50と設定した場合は、switchport vlan mapping original-vlan 10 1234 resultant-vlan 50 1234と設定した場合と同じ動作になります。

補 足

priorityパラメーターを指定しないで設定した場合は、priority 0が自動的に設定されます。

補 足

priorityオプションは受信時のみ反映されます。また、サービスVLANタグのVLAN変換エントリーでは受信フレームが1段タグフレームの場合のみ、2段タグフレームのVLAN変換エントリーでは受信フレームが2段タグフレームの場合のみ、反映されます。

サービスVLANタグのVLAN変換の例を以下に示します。

以下の例では、トランクポートに設定したポート1/0/5でサービスVLAN 10で送受信するタグ付きフレームのVLAN IDを1001に変換し、サービスVLAN 20で送受信するタグ付きフレームのVLAN IDを1002に変換します。

サービスVLANタグのVLAN変換の例

2段タグフレームのVLAN変換の例を以下に示します。

以下の例では、トランクポートに設定したポート1/0/7で「サービスVLAN 101、カスタマーVLAN 1234」の2段タグフレームを受信した場合は、「サービスVLAN 10、カスタマーVLAN 111」に変換してサービスVLAN 10で受信します。また、サービスVLAN 10のポート1/0/7から送信する前の形式が「サービスVLAN 10、カスタマーVLAN 111」の場合は、「サービスVLAN 101、カスタマーVLAN 1234」に変換して送信します。

同様に、ポート1/0/7で「サービスVLAN 102、カスタマーVLAN 2345」の2段タグフレームを受信した場合は、「サービスVLAN 20、カスタマーVLAN 222」に変換してサービスVLAN 20で受信します。また、サービスVLAN 20のポート1/0/7から送信する前の形式が「サービスVLAN 20、カスタマーVLAN 222」の場合は、「サービスVLAN 102、カスタマーVLAN 2345」に変換して送信します。

2段タグフレームのVLAN変換の例

VLAN変換の注意事項

一致するVLAN変換エントリーが存在しない場合でも、受信トランクポートにサービスVLANと一致するVLANが登録されている場合は、そのVLANで受信することに注意してください。以下の例のように、ポート1/0/5でサービスVLAN 10のタグ付きフレームを受信した場合、「装置外のサービスVLAN=10」に一致するVLAN変換エントリーがないため、VLAN変換は行われませんが、ポート1/0/5にVLAN 10を登録しているため、そのままVLAN 10で受信します。

VLAN変換の注意事項の例(1)

また、2段タグフレームのVLAN変換エントリーの場合は、送信時に一致するエントリーがなくても、VLAN変換しないでそのまま送信されることに注意してください。以下の例のように、サービスVLAN 10のポート1/0/7から送信する前の形式が「サービスVLAN 10、カスタマーVLAN 111以外」の2段タグフレーム、またはサービスVLAN 10の1段タグフレームの場合は、VLAN変換しないでそのまま送信されます。

VLAN変換の注意事項の例(2)

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