第4編
レイヤー2

Voice VLANの機能説明

Voice VLANは、音声トラフィックのQoS設定を自動的に設定する機能です。IP電話とPCを同一ポートで収容する場合などに、音声トラフィックをデータトラフィックとは別のVLANで収容し、優先度を上げて音声トラフィックの品質を確保します。

注 意

NP7000、NP5000、NP4000、およびNP3000では、Voice VLANは使用できません。

Voice VLANの概要

Voice VLANを有効にするには、voice vlanコマンドでVoice VLANとして使用するVLAN IDを指定します。また、Voice VLANで収容した音声トラフィックに適用するQoSを設定するには、voice vlan qosコマンド、およびvoice vlan dscpコマンドを使用します。

インターフェースのVoice VLAN動作モードを設定するには、voice vlan modeコマンドを使用します。インターフェースのVoice VLANを有効にするには、voice vlan enableコマンドを使用します。

Voice VLAN端末とLLDP-MED端末

Voice VLANに収容する端末には、以下の2種類のパターンがあります。

Voice VLAN端末

IP電話のOUI(音声トラフィックの送信元MACアドレス)で判定

LLDP-MED端末

IP電話からのLLDP-MEDで判定

Voice VLAN端末

Voice VLANを有効にしたインターフェースで、あらかじめ登録したMACアドレスと一致する送信元MACアドレスのトラフィックを受信した場合は音声トラフィックと判断し、そのMACアドレスをVoice VLAN端末として登録します。

音声トラフィックと判断するMACアドレスはデフォルトでいくつか登録されていますが、voice vlan mac-addressコマンドを使用して追加することもできます。

音声トラフィックと判断するMACアドレス(デフォルト)
OUI AddressMaskDescription
00:01:E3:00:00:00 FF:FF:FF:00:00:00 Siemens
00:03:6B:00:00:00 FF:FF:FF:00:00:00 Cisco
00:09:6E:00:00:00 FF:FF:FF:00:00:00 Avaya
00:0F:E2:00:00:00 FF:FF:FF:00:00:00 Huawei&3COM
00:60:B9:00:00:00 FF:FF:FF:00:00:00 NEC&Philips
00:D0:1E:00:00:00 FF:FF:FF:00:00:00 Pingtel
00:E0:75:00:00:00 FF:FF:FF:00:00:00 Veritel
00:E0:BB:00:00:00 FF:FF:FF:00:00:00 3COM
補 足

音声トラフィックと判断するMACアドレスのデフォルト設定は、削除できません。

LLDP-MED端末

Voice VLANを有効にしたインターフェースで、IP電話からのLLDP-MEDを受信した場合は、LLDP-MED端末として登録します。

対象インターフェースでLLDP-MED端末を登録できるようにするには、LLDPを有効にし、lldp med-tlv-select capabilitiesコマンドとlldp med-tlv-select network-policyコマンドを使用して、Capabilities TLVとNetwork Policy TLVの通知を有効にしてください。

注 意

受信する音声パケットがタグなし形式、またはVID=0のタグ付き形式の場合は、LLDP-MEDとは併用しないでください。この場合は、Voice VLAN端末として登録されるように使用してください。

Voice VLANの動作モード

Voice VLANを使用する場合は、対象インターフェースを以下のいずれかの動作モードに設定します。

自動モード(untag)

Voice VLAN端末が登録されると、対象インターフェースにVoice VLANがタグなしメンバーとして自動的に割り当てられるモード

自動モード(tag)

Voice VLAN端末が登録されると、対象インターフェースにVoice VLANがタグ付きメンバーとして割り当てられるモード

マニュアルモード

対象インターフェースに、あらかじめ手動でVoice VLANを割り当てておくモード

自動モード(untag)

自動モード(untag)は、アクセスポートとハイブリッドポートで使用できます。このモードでは、Voice VLAN端末が登録されると、対象インターフェースにVoice VLANがタグなしメンバーとして自動的に割り当てられます。そのため、音声トラフィックは「タグなし形式」を想定しています。

Voice VLAN端末からの音声パケットが停止し、そのVoice VLAN端末のMACアドレスがMACアドレステーブルから削除されると、Voice VLAN端末のエージングタイマーが開始され、エージングタイマーが満了すると対象のVoice VLAN端末は削除されます。

同一インターフェースに登録されたVoice VLAN端末がすべて削除されると、割り当てたVoice VLANも自動的に削除されます。

自動モード(untag)の使用例

自動モード(tag)

自動モード(tag)は、ハイブリッドポートで使用できます。このモードでは、Voice VLAN端末が登録されると対象インターフェースにVoice VLANがタグ付きメンバーとして自動的に割り当てられます。そのため、音声トラフィックは「タグ付き形式」を想定しています。

注 意

自動モード(tag)に設定する場合は、対象インターフェースのingress-checkingコマンドを無効にしてください。

Voice VLAN端末からの音声パケットが停止し、そのVoice VLAN端末のMACアドレスがMACアドレステーブルから削除されると、Voice VLAN端末のエージングタイマーが開始され、エージングタイマーが満了すると対象のVoice VLAN端末は削除されます。

同一インターフェースに登録されたVoice VLAN端末がすべて削除されると、割り当てたVoice VLANも自動的に削除されます。

自動モード(tag)の使用例

マニュアルモード

マニュアルモードは、アクセスポートとハイブリッドポートで使用できます。このモードは、あらかじめVoice VLANを割り当てておくモードです。Voice VLANの自動割り当てが不要な場合、IP電話のみ接続する場合、およびIP電話をLLDP-MED端末として登録する場合などに使用します。

マニュアルモードの使用例(1/2)

マニュアルモードの使用例(2/2)

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